第五話

50 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 01:59:54.02 ID:sEd2mVwRO

チチチチチ……

朝日が眩しい。
そう思い、目を覚ました僕の頭に入団テストのことが浮かびあがる。


あぁ、ついにこの日が来てしまったか。


DQNを破ったことが、ついこの前のようだ。
一年かけてようやく見つけらたプロレスの高揚感、それが今日一日で終わるかもしれないのか……


僕は不意にネガティブな考えに襲われたが、頭を降って消し去った。

( ^ω^)「今更、何をビビってるんだお!!
僕はこんなところで止まる男じゃないお!!」

誰に聞かせるでもなく、いや、自分に言い聞かせるように大きく一声叫んだ。

不安な思考を消し去るように勢いよく立ち上がり、机の上からうまい棒(めんたいこ味)を掴むとドクオの部屋へと向かった

55 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 02:09:01.16 ID:sEd2mVwRO

コッコッコッ…………


ドクオと合流した僕は、試験会場である練習室へと向かっていった。

この長く白い廊下を歩いていくうちに、段々気持ちが引き締まってきた。


コッコッコッ……
('∀`)「ヘヘへ……内藤! 俺、今朝茶柱が立ったんだぜ!!」

( ^ω^)「それはめでたいお! じゃあ今日のテストもバッチリだお!!」


ほんの些細なことにだが、何だか本当に運が向いて来ているのかもしれない。

ドクオの奴はいつもこうやってサポートをしてくれる。 細かいことに気が付く本当にいい奴だ。

59 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 02:18:29.25 ID:sEd2mVwRO

('A`)「ふぅ……本番前にトイレ行っておこうぜ、漏らしたらたまら ないからな」

( ^ω^)「うはwwwwwくそみそヤバスwwwwww」


実際、試合中に失神したり、強い衝撃を与えられると漏らす選手もいるそうだ。
こんなテストからヤッてしまってはシャレにならない。


ダダダダダ………
ジャーーーーーーッ


Σ('A`;)「あっ、血尿っ…………」

( ;^ω^)「ちょっwwwwwwおまっwwwwヤバスwwwwww」

('A`;)「え……とっ……何かゴメン………」

( ;^ω^)「なっww何がっwwうぇっwwwwえっwwww」


折角見直したばかりなのに…………


バーロー

61 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 02:32:33.01 ID:sEd2mVwRO

ガヤガヤガヤガヤ……

試験会場に入ると、もう随分人が集まっていた。
僕らも随分早目に出てきた筈なのだが、それでも半数以上は揃っているように見える。

やはりみんなも興奮しているんだな。

そう考えに耽っていると、向こうから知った顔が近付いてきた。


(´・ω・`)「やぁ。やっと来たのかい?」

ショボンだ。

(´・ω・`)「実力者達は皆、早くに来て準備をしているよ?」

まるで自分は実力者で、僕達がそうでは無いような口ぶりだ。

('A`)「テメェ……朝っぱらからイヤミしか言えないのか?」

(´・ω・`)「フン…僕は真実を述べに来てあげたまでさ。
それともう一つ」



(´・ω・`)「ドクオ、君は確実に不合格だよ」

63 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 02:40:50.78 ID:sEd2mVwRO

これには流石の僕も黙っているわけにはいかなかった。


( #^ω^)「お前、さっきから聞いてれば何様なんだお!?
何でドクオが不合格だって言い切れるんだお!?」

(´・ω・`)「フン……その様子じゃ、まだアレを見ていないようだね。
僕と無駄話をしている暇があったら、早くあのホワイトボードを見に行きなよ」

僕らはショボンに返事をすることなく、ホワイトボードへと歩みを進めた。

これ以上アイツの相手なんかしていたら、本当に時間の無駄だ。
それより早くショボンの言ゔアレ゙を見たかったのだ。

66 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 02:49:00.01 ID:sEd2mVwRO

何人かの人々を押しやり、僕とドクオはホワイトボードの前に陣取った。

ホワイトボードの上方にはデカデカとある言葉が書いてあった。

('A`)「入団試験・組み合わせ表…………」

そこには、アミダくじでランダムに選ばれた者同士が、上から下まで名を連ねていた。

( ^ω^)「ショボンの奴は、これを見て言ったのかお………」

('A`;)「俺の相手………いったい誰なんだ……」ゴクッ…


ドクオが生唾を飲み込む音が聞こえてきた。
僕は上から順に目を通していき、そしてドクオと同時に自分の名前を見つけだした。

67 名前: 以下、名無しにか わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/01/09(月) 02:56:01.10 ID:sEd2mVwRO

('A`)「なるほど……これがアイツの自信の理由か………」

ボソリとドクオが呟く。
気のせいか、僅かに口角を上げ微笑を浮かべている気がする。

( ^ω^)「どういう意味だお?」

答えの代わりに、ドクオはある組み合わせを指差した。


(ドクオ)━(バーボンマスター・ショボン)


('A`)「あの野郎、どうやら絶対俺に勝てると思ってやがるんだな………」

( ^ω^)「ドクオ!!絶好のチャンスだお!!
僕の分も、ギタギタにノシてくるお!!」


淡々と喋るドクオに対し、僕は熱烈な激励をした。
ドクオに勝って欲しい。
そして願わくば………


( ^ω^)「(またアイツとタッグを組みたいお……………)」

68 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 03:00:01.65 ID:sEd2mVwRO

('A`)「おう、ところでお前は誰と当たるんだ?」


僕は先程のドクオと同じように、無言で自分の名前を指差す。


(ブーン)━(アネハ・ケンチック)


('A`)「…………」

( ^ω^)「……………」



('A`)「まぁ……頑張れよ……」

( ;^ω^)「……ありがとうだお」



まぁ相手がお互い知らない名前だと、こんなもんだ。

70 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 03:11:13.50 ID:sEd2mVwRO

試験開始の時間になると、アルトレーナーがやって来て説明を始めた。

ルールは
・時間は15分

・勝負の決着は
フォール(両肩をマットにつけ3回カウントをとられる)
ギブアップ
反則をとられるかのどれかで、時間内に決着が着かなければ引き分けだそうだ。

こんなオーソドックスなルール、地方団体で何度も経験してきている。
そうと知り、僕とドクオはホッ胸を撫で降ろした。


次の瞬間だった。


アル「それでは第一試合だ!!
『ひろゆき』!『マスク・ド・スペルマン』!
リングへ上がれ!!」


ひろゆき「ハッ…ハイッ……」

スペルマン「しゃぁっ!!」


これから始まるんだ……
いよいよ始まるんだ……
僕の心臓は早鐘のように鼓動を打っていた。

71 名前: 以下、名無しにか わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/01/09(月) 03:22:06.33 ID:sEd2mVwRO

ダァァァァァァッ!!!!

カンカンカンカン!!!!!


ドンドン試合が消化されていく。
試合時間が少ないせいか、みんな短期決着を狙うためだ。

ふと隣のドクオに目をやる。
両手を組み、目を閉じている。 思った以上に落ち着いているようだ。

これは僕もウカウカしていられないぞ………

内藤が心の中で、新たに決意を固めたその矢先。


アル「次っ!!
『ブーン』! 『アネハ・ケンチック』!前に!!」

( ;^ω^)「ハヒッ!!」
声は裏返ってしまったが、腹はもう据えていた。
もう何がきても大丈夫。
自分にそういい聞かせ、僕は前に進んだ。


その頃のドクオは
(-A-)「……………カーチャン………」

73 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/09(月) 03:39:21.93 ID:sEd2mVwRO

第五話━Go over━完



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