第九話
435 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:00:01.72 ID:lOk++dCH0
第九話 ツンの中の何か
少し,時間は戻る.
ドクオとショボンは,津理子の隠し部屋で手がかりを探していた.
(´・ω・`)「ねえ,ドクオ.」
('A`) 「どうした?」
(´・ω・`)「何でブーンは,ツンに惚れてしまったんだろう?」
(;'A`) 「えっ!?
そんなの,俺に聞かれても・・・.」
(´・ω・`)「僕には,解らないんだ.
ツンが死んでるのも,想定の範囲内じゃないか.
夢の中で、会っただけなんだろう?
何でブーンは,あんなにも好きになれて,
あんなにも悲しめるんだい?」
(;'A`) 「うーん・・・.
なんでって、いわれても.」
(´・ω・`)「・・・.」
437 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:01:53.82 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「あ,ドクオ.これは何だろう?」
ショボンは,たった今見つけたモノを差し出した.
('A`) 「ノートか?」
(´・ω・`)「日記かな?」
ドクオとショボンは,日記を見る.
「タスケテ,タスケテ,タスケテ」
この部屋の持ち主は,酷い苛めにあっていたようだ.
苛められたことに対する、悲しみばかりが書いている.
あまり,意味をなした文章は書いていなかった.
('A`) 「苛められてたのか、可哀想に.」
(´・ω・`)「そうだね.
苛め、かっこ悪い.」
('A`) (DQN、苛めてたくせに.)
最後のページを開く.
438 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:03:13.27 ID:lOk++dCH0
「アタシの中に,誰かがいる.
もうじき,生まれるの.
どうしよう.
この子が生まれたら,
きっと,多くの人が
死んじゃう.
アタシ,その前に,
死にます.」
444 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:06:39.62 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「・・・?
生まれる?
何のことだろう?」
('A`) 「子供っぽいのになあ?
まさか・・・.」
(´・ω・`)「ドクオくん、サイテー!?
何考えてるの?
エッチ!」
(;'A`) 「え・・・?」
(´・ω・`)「この、生まれてくる子、というのが
ひょっとして
僕らを殺そうとしてるのかもしれないね.」
(;'A`) 「あ、ああ.」
(´・ω・`)「手がかりになるんだか、ならないんだか.
このノートは、持って行こう.
他に、何か無いかな.」
446 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:08:56.50 ID:lOk++dCH0
この隠し部屋には、もう手掛かりになりそうなものは見つからなかった.
津理子の部屋の、向いの部屋に入る.
ばたん
扉を閉める
二人はかたまった.
451 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:11:26.49 ID:lOk++dCH0
部屋は完全に壊れていた.
木製の家具のようなものは、ほとんど炭化していた.
元パイプ椅子であろうものが、ドロドロに溶けている.
そして、なにより
部屋の真ん中あたりが、大きく凹んでいる.
壁には、大きな亀裂が走っている.
そして、天井には大きな穴が開いていた.
(´・ω・`)「ここから、何かが生まれ、
飛び立ったみたいだね.」
(;'A`) 「な、何が?」
(´・ω・`)「わからない.
でも、たぶん、禍々しいものだ.」
452 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:13:10.87 ID:lOk++dCH0
捜しても、この部屋はもう何も無さそうだ.
さらに、他の部屋を探した.
だが、もう怪しいものは見つけられなかった.
( 'A`) 「解決できそうな発見は無かったな.」
(´・ω・`)「・・・.」
(;'A`) 「あ、ご、ごめん.」
(´・ω・`)「もう、時間も遅い.
ブーンと合流して、飯を食べよう.
今日は、宿は山村村でとる.
夜、解決法を考えよう.」
( 'A`) 「そうか.家に連絡いれていいか?」
(´・ω・`)「うん.
名残惜しいけど、ここから一旦引こうか.」
454 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:15:26.46 ID:lOk++dCH0
ドクオとショボンは,ダムから上がり,今の山村村の中心へと戻った.
その途中,ブーンと出会う.
( ^ω^) 「ドクオ,ショボン!
遅くなって,すまなかったお.」
( 'A`) 「もう,大丈夫か?」
(´・ω・`)「落ち着いたなら,話そうか.
こっちは,幾つか重要な手掛かりは見つけたよ?」
( ^ω^) 「ふふふ,こっちだって
凄いネタを掴んだお.
早く解決して,辛そうなツンを助けるお!」
455 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:16:16.12 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「へえ? 何をしったの?」
( ^ω^) 「・・・.」
( 'A`) 「なんだよ,もったいぶんなよ.」
(;^ω^) 「・・・.」
Σ(;'A`) 「ひょっとして,忘れたんじゃないだろうな?」
457 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:17:14.47 ID:lOk++dCH0
( ^ω^) 「ログ嫁.」
( 'A`) ´・ω・`)「把握した.」
( ^ω^) 「ドクオとショボンは、何を見つけたんだお?」
(´・ω・`)「すまない.今話すの,めんどくさい.
まあ,もう暗くなってきたし,ご飯を食べよう.
食べながら,僕なりに纏めた考えを話すよ.」
464 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:21:45.27 ID:lOk++dCH0
山村村で見つけたラーメン屋「しらいし」に三人は入る.
(´・ω・`)「いちごタンメン,三つ.」
(;'A`);^ω^)「何それ!?」
(´・ω・`)「意外と,食べれるよ?」
(;'A`) 「てか,勝手に頼むなよ.」
(;^ω^) (ショボンは,ここに来たことがあるのかお?)
( ^ω^) 「ハムッ!」
('A`) 「ハムッ!ハフハフッ!」
(´・ω・`)「ハムッ!ハフハフッ!ハムッ! 」
店員 「キメエ・・・.」
466 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:24:12.03 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「さて,話をまとめようか.
山村津理子は,性的虐待に起因する解離性同一性障害だった.
基本人格の「津理子」.
主人格になりおおせた「ツン」.
保護人格の「須磨子」.
そして,未だ謎に包まれた「名無し」.
それから,
ツンの人格だけ,テレパシストだったね.
ツンはその能力から,旧山村村の住人から恨まれていた.
最終的には,襲われ,51年前に行方不明になった.
ツンは,自らの中に,何者か(化け物)が存在していると言っていた.
そして,それはどうやら生まれたようだね.」
('A`) 「そんなところだろうな.」
( ^ω^) 「かいりせいどういつせいしょうがい?」
(´・ω・`)「多重人格障害のこと.」
471 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:27:28.81 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「津理子の目的はなんだろう?」
('A`) 「酷い目にあってたみたいだからな,やっぱり,恨みじゃないか?」
(´・ω・`)「そうだね.
それこそ,無差別に殺そうとしているのかもしれない.」
( ^ω^) 「・・・.」
( ^ω^) 「ブーンは,違うと思うお.」
(´・ω・`)「何故?」
474 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:30:16.96 ID:lOk++dCH0
( ^ω^)
「ツンは,・・・津理子は助けを求めているんだと思うお.
ブーンは,苛められているお.
苛めにあったとき,
助けてもらいたかったお.
ドクオは何時も止めに入ってくれたお.
ドクオも一緒に苛められるし,
ブーンに対する苛めも緩まなかったお.
でも,ドクオが止めようとしてくれて事,
それ自体が,嬉しかったお.
ブーンの気持ちはそれだけで救われたお.
きっとツンや津理子も,
ブーンにとっての,ドクオの様な存在が欲しいんだと思うお.」
(*'A`) 「・・・ブーン.
そうかもな.
ツンにとっては,お前がなってやれよ.」
(´・ω・`)(わからない・・・)
483 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:36:46.20 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「夢に出てきた人物を割り当てようか.
ブーンの夢に出てきたのは,ツンだね.
僕の夢に出てきた津理子は,確定は出来ないけど,
須磨子な気がする.
くたびれた女っていう印象が,そっくりだ.
津理子という基本人格は,酷く内向的らしいし違うと思う.
名無しの可能性もあるが・・・.
ドクオの夢に出てきたのは,なんともいえないね.」
( ^ω^) 「・・・.」
493 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:41:10.86 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「ところで,僕の疑問なんだが,
本当に須磨子はISHなんだろうか?」
('A`) 「どういうこと?」
(´・ω・`)「ISHの役割は,常に冷静で,理性的.
患者が生きておけるようにすることが目的で,
感情が無いように見える,
と聞いたことがあるんだ.
須磨子が,僕の夢に出てきた津理子だとすると,
話が合わない.」
('A`) 「確かに,ショボンの夢じゃ悪意丸出しみたいだしな.」
499 名前: 1
投稿日: 2006/01/13(金) 00:43:52.42 ID:lOk++dCH0
(;^ω^) 「あの・・・?」
('A`) 「なんだ,ブーン?」
(;^ω^) 「ISHってなに,家電製品かお?」
('A`) 「ISHってのは,保護人格のことだよ.」
(;^ω^) (ショボンはともかく,ドクオまで?
実は,ドクオも頭良かったのかお?)
501 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:46:56.05 ID:lOk++dCH0
('A`) 「さっきのショボンの話だけど,逆じゃね?
ショボンの夢に出てきたのが,須磨子じゃないんじゃ?
津理子が解離性同一性障害になってしまってからも,
強いストレスに晒されていたと思われるし,
新しい人格が他にいた可能性も高いと思う.」
(´・ω・`)「うーん.
・・・!
ひょっとして,ツンの中にいた「化け物」は,
新しい人格?」
('A`) 「そうか!
襲撃にあったときに,生まれたのかもな!
じゃあ,ツンの中にいた「化け物」が,
今ショボンの夢に出てくる津理子かもしれないな.
ショボンの話では,一番の悪意を感じるし.」
( ^ω^) 「違うお.」
(;'A`) 「えっ?
なんでそんな自身まんまんなの?」
508 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:51:24.00 ID:lOk++dCH0
( ^ω^) 「「化け物」は,
ブーンとドクオの夢に出てくる怪物だお.
ブーンは馬鹿だから,難しいことはわからないお.
でも,ブーン達を殺そうとしているのは
間違いなくあいつだお.」
(´・ω・`)「だから,その「化け物」イコール
僕の夢の津理子かも.
何故か,僕の夢にはその「化け物」は出てこないし.」
( ^ω^) 「あ,そういうことかお.」
(*'∀`) 「いいぞ,大分,真実に近づいてきた気がする.」
(´・ω・`)「・・・解決法が分らなければ,意味が無いよ.」
512 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:53:00.58 ID:lOk++dCH0
(´・ω・`)「・・・
ねえ,DQNは山村ダムで死んだよね?」
('A`) 「ああ.」
(´・ω・`)「僕ら以外に,あのスレを見た人はいなかったのかなあ?」
('A`) ^ω^) 「!!」
(´・ω・`)「いたとしたら,山村ダムで他に死ぬ人がいてもよさそうだね.
死因は,人によって違うんだろうか?
それとも,やはりいなかったんだろうか?
としたら,僕らは津理子に意図的に選ばれた?」
('A`) 「それはちょっと飛躍しすぎじゃね?
・・・でも確かに,他に見た人もいてよさそうだな.」
(´・ω・`)「正直,本当に分らないことだらけだ.
どこで探したら,解決法が見つかるだろうか・・・?」
516 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:55:17.28 ID:lOk++dCH0
( ^ω^) 「一度寝て,ツン達と会ってみたらどうかお?
何か手掛かりがつかめるかも.」
(´・ω・`)「・・・闇雲に動くよりましか.
睡眠薬でも飲んで寝るか.」
('A`) 「ブーン,
・ショボンの夢の津理子が「化け物」で,俺たちを殺そうとしている?
・他に,事の発端のスレを見た人はいないのか?
・今から,手掛かりを得るためにツンたちに会う」
( ^ω^) 「わかったお!」
518 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:56:41.43 ID:lOk++dCH0
三人は会計を済ませ,宿を探す.
古い民宿を見つけ,宿をとった.
ショボンは睡眠薬を用意し,ドクオは薬を飲むためのお茶を入れている.
( ^ω^) 「ドクオ,ドクオは何でそんなに多重人格の病気について詳しいんだお?」
('A`) 「ああ・・・.
俺のカーチャンも,解離性同一性障害なんだ.」
(;^ω^) 「えっ!?
そうだったのかお?
ごめんだお.
無神経だったお.」
('A`) 「いいよ.
治らないわけじゃないし.」
( ^ω^) 「そうなのかお?」
520 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:57:09.78 ID:lOk++dCH0
('A`) 「ああ.治った例はある.
周りがしっかり助けてあげれば,
治らないわけじゃないんだ.
俺が生まれたのは,近所の糞野郎にカーチャンが襲われたから.
それで更に病気が悪化して,一時は50近くの人格が生まれたこともあったらしい.
俺が原因で,悪化したんだ.
俺は,カーチャンを直す.」
( ^ω^) 「ドクオ・・・.
ドクオは悪くないお.」
('A`) 「ありがとう.
もちろん,悪いとは思ってないよ.
でも責任は,あると思う.」
( ^ω^) 「・・・ドクオは凄いお.
今は大丈夫なのかお?」
521 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:57:52.38 ID:lOk++dCH0
('A`) 「ああ.信頼できる叔母さんが世話してくれてる.
・・・ツンの不幸は,テレパシー能力を持ってしまったことだな.
せっかく,出井先生に恵まれたのに.」
( ^ω^) 「・・・.」
('A`) 「ツンを助けてやれよ?」
( ^ω^) 「もちろんだお!」
523 名前: 第九話
投稿日: 2006/01/13(金) 00:58:34.17 ID:lOk++dCH0
ぴちょん・・・.
(´・ω・`)「ちっ・・・.きやがった.」
ショボンが怖い.
三人にそれぞれ,メールが来る.
件名:
本文:残り日数 3日
( ^ω^) 「ブーンは後3日だお.」
('A`) 「俺は,あと4日だな.」
(´・ω・`)「僕は,後1日だ.」
(´・ω・`)「さあ,ねようか.」
ξ゚听)ξ 「・・・.」
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