第十一話
287 名前: 1
◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/10(火) 00:57:35.44 ID:+7sHe5VRO
試合を終えた僕は歓喜のあまり、鼻唄を唄いながら控室へ戻っていった。
( ^ω^)〜♪
ガチャッ…
??「よぉ!!」
( ;゚ω゚)「モルスァっ!!」
扉を開けたところに人が立って、いきなり挨拶をしてくれば、誰だって驚くだろう。
だが、その人物は悪びれた様子もなく話しかけてきた。
??「お前、さっきのがデビュー戦なんだって?
その割には、やけに客を取り込んでやがったじゃねぇか」
( ^ω^)「………偶然ですだお」
こういう時、下手に話に乗るヤツが控室で村八分にされるんだ。
僕もさすがに理解出来るようになってきたので、控え目に答えておいた。
291 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 01:10:29.90 ID:+7sHe5VRO
(
゚∀゚)っ「おぉ、名乗り遅れたが、俺はジョルジュ長岡っていうんだ。
ヨロシクな、内藤ポセイドン!!」
( ;^ω^)っ「ポセイドンじゃなくて、内藤ホライゾンですだお。
よ…よろしくお願いしますだお…」
( ゚∀゚)「お?間違っちまったか?HAHAHA!」
これが僕の新天地での親友との出会いだった。
294 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 01:20:52.86 ID:+7sHe5VRO
ジョルジュは入団してから、もう一年が経つ。
デビュー当時はキャラが確率してなく、人気もパッとしてなかったようだ。
それが三ヶ月前に新しいキャラを試してみたら、それがブレイク。
今、昇り調子の注目株らしい。
本当かどうかは怪しいが、この世界のことを面白おかしく話してくれた。
そのおかげで、自然と僕達は打ち解けていった。
( ^ω^)「そういえば、ジョルジュはどんなキャラで出しているんだお?」
( ゚∀゚)「そうだなぁ…
一言で言うと、『素の自分を出した』かな」
( ^ω^)「僕と一緒だお、僕も素の自分を出してみたんだお」
( ゚∀゚)「お前、分かってるじゃねぇか!!
おっと、もうすぐ俺の出番だ。
よかったら見ててくれよ」
( ^ω^)「おk!」
そう言うとジョルジュは楽しそうに去って行った。
297 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 01:31:16.09 ID:+7sHe5VRO
僕は控室のテレビをつけた。
待機している選手は、こうしてテレビで流れている試合を控室で見ることが出来るのだ。
テレビでオンエアされる試合に出る選手は、入場の時に自分のテーマ曲を流すことができ、それも入場により華を咲かすのだ。
僕はワクワクしながら画面に喰らい付く。
最初に入場して来たのは、ジョルジュの対戦相手だろう『B・LEG』という選手だった。
解説のコメントを聞くと、ここ何週間かジョルジュと対立しているらしい。
あのジョルジュを怒らせるとは、いったい何をしたんだろう。
そんなことを考えていると、BLの曲が止まった。
いよいよジョルジュの入場だ。
298 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 01:42:54.90 ID:+7sHe5VRO
突然照明が落ち、会場は暗闇に包まれる。
何が起こるんだろう……
ゲートに蒼い照明が当たりスモークが炊かれる。
それと同時に重低音が響く。
ズン…ズズン…ズンズズン…ズンズズン…
間違いない、ダースベイダーのテーマだ。
スモークの奥からジョルジュがやってくる。
( ゚∀゚)o彡「おっぱい! おっぱい! おっぱいぱい!」
リズミカルに何を叫んでいるのかと思えば………
片手を振りながら、おっぱいと連呼するジョルジュ。
見れば観客もマネをしている。
コレがジョルジュの素なのか、僕はコレを理解したと思われたのか。
何故か試合の疲れが三倍にも感じた。
302 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 01:54:45.32 ID:+7sHe5VRO
倦怠感を感じたのはほんの数分だった。
試合が開始されてからのジョルジュは、入場のフザケたイメージなど………いや、少しはあった。
客席のいいおっぱいの子に近寄っていったり……くそ、うらやましい。
試合のペースが上がってきた。
おっぱいに気を取られたジョルジュが、一気にBLの反撃を食らい始めたのだ。
『あぁぁぁぁっとぉぉぉぉ!!
BL試合を決めにかかったぁぁぁ!!
ダウンしたジョルジュに対して、BLシュートを放つために助走をとるぅぅぅぅ!!!!』
『兄者、興奮しすぎだ。
もう少しクールにいこう』
『む…すまなかったな』
ジョルジュ…頑張れジョルジュ!!
僕は自然と握り締めていた拳を、さらに強く締める。
306 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 02:04:35.33 ID:+7sHe5VRO
ジョルジュがゆっくりと立ち上がる。
見計らったかのように、BLが走り出した。
もうダメだ!!
しかしジョルジュは想定の範囲外の行動を取った。
自らBLへ向けて走り出したのだ。
BLは距離を詰められBLシュートが放てなくなる。
そこに生まれた一瞬の躊躇をジョルジュは鋭く捕えた。
BLの体の正面から脇の下を手で持ち上げ体を浮かせ、空中でBLの………乳を掴みながらマットへ叩きつけた。
307 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 02:07:48.45 ID:+7sHe5VRO
『πバスター決まったぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!
ジョルジュ、フォールへぇぇぇ…………行かない?』
『だから先走りはいけないと言うんだ兄者。
失礼、ジョルジュ長岡、コーナーポストへ寄りかかりBLを待ちます』
何でだ?何でフォールをしにいかないんだ?
僕の疑問の答えは次の瞬間に判明した。
308 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 02:11:58.00 ID:+7sHe5VRO
ジョルジュが左手を挙げた途端に観客席から、もの凄い歓声が起こる。
『あぁぁぁあっとぉぉぉおお!!!!!
ジョルジュ!!このアピールはぁぁぁぁぁ!!!』
『ジョルジュ長岡、バストボンバーを狙いにいってますね』
ジョルジュが掲げた左手を胸に叩きつける。 『パイ!!』
もう一度掲げる。 『オッ!!』
降ろす。 『パイっ!!』
ジョルジュの腕振りに合わせて、客席からは『オッパイ』コールが巻き起こる。
凄い。 会場全体が一体となってジョルジュを後押ししている。
凄い。凄い。 まるで地響きのようだ。
僕は再び鳥肌がたった。
310 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 02:20:51.69 ID:+7sHe5VRO
BLが立ち上がる。 先程とは全く逆の構図となっていた。
そしてジョルジュが駆け出す。
左腕を直角に曲げ、肘の部分をBLへと振り抜いた。
『決まったぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!
バストボンバーがぁぁぁ見事にアゴにクリィィィィンヒットォォォォ!!!!!!!!!』
『これはBL無理でしょう。
ジョルジュ長岡、フォールに入ります。
1…2……3っ…』
『決まったぁぁぁぁぁあああ!!!!
ジョルジュ長岡ぁぁぁぁぁ見事にB・LEGからフォールを奪いましたぁぁぁぁぁ!!!!!』
『兄者、分かったから落ち着け。唾を飛ばすな!!』
コーナーポストでジョルジュが左腕を振り、勝利のアピールをしている。
僕は心の底からジョルジュの試合に夢中になっていた。
第十一話━おっぱい━ 完
312 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk
投稿日: 2006/01/10(火) 02:23:48.98 ID:+7sHe5VRO
ジョルジュ長岡
(ジョルジュ長岡)○━●(B・LEG)
試合時間 10分02秒
πバスター→バストボンバー
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