第十三話

449 名前: 1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 00:51:08.85 ID:Q+G7B0acO

デビュー戦を勝利で飾った僕は、控室に戻る途中でジョルジュとすれ違っ た。

何故か頭をドツかれたが、僕の勝利を喜んでくれた。

( ゚∀゚)「次は俺の試合だからな!!
テレビの前から離れるんじゃねぇぞ」

( ^ω^)ノシ「頑張るんだお!!」


こうして僕は控室に戻り、テレビの前に陣取った。



この時はあんなことが起こるだなんて、夢にも思わなかった。

451 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 00:59:26.89 ID:Q+G7B0acO

試合は終始ジョルジュのペースで進んでいた。

対戦相手は以前ジョルジュに破れた『B・LEG』の仲間の『D・HIP』という奴だ。

仲間の敵討ちと意気込み勝負を挑んだのだが、実力的にはBLと大差がないようで、ジョルジュに圧倒され続けていた。


そしてジョルジュが勝負を決めるため、バスト・ボンバーの体勢に入った。


( ゚∀゚)o彡『おっぱい!』

( ゚∀゚)o彡『おっぱい!』

ゆっくりとDHが立ち上がる。
ジョルジュが動く。


その時だった。

453 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:06:41.35 ID:Q+G7B0acO

ゲートの方から仲間のB・LEGが、パイプ椅子を片手にリングへと走っ てきたのだ。

ジョルジュは完全にDHへと視線を向け、奇襲をかけられようとしていることに気付いていない。


( ;^ω^)「ジョルジュ!! 後ろから来てるお!!」


テレビの前で叫んでいても、ジョルジュに届くわけがなかった。

454 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:12:13.06 ID:Q+G7B0acO

ジョルジュがDHへとバスト・ボンバーを放つ。

綺麗にアゴへと入った。
DHは吹っ飛ばされ、普通ならここで試合が決まる筈だった。



しかしバスト・ボンバーが決まったと同時に、BLがリングへと滑り込み椅子を構えた。
そして振り向いたジョルジュの頭へと椅子を振り下ろす。

無情なる椅子は、ジョルジュの脳天へとクリーンヒットした。
ジョルジュがリングへと崩れ落ちる。

レフェリーが試合終了のゴングを鳴らす。
DHの反則負けでジョルジュの勝ちだ。


だが屑共の所業を止めるにはいたらなかった。

462 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:21:56.03 ID:Q+G7B0acO

マットに倒れこんだジョルジュの背に、再び椅子が振り下ろされる。


ガッッ!!!……
( ;゚∀゚)「うぉぉぉぁぁあああ!!!!」


もう一発。

ガッッ!!!!!
( ;;゚∀゚)「がぁぁぁぁっ!!!!」


三発目を見る前に、僕は控室を飛び出しリングへと向かう。

数の上では不利と分かってはいたけれど、せめて一発かましてやらなければ気が済まなかったのだ。


間に合ってくれ、ジョルジュ。

466 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:29:34.65 ID:Q+G7B0acO

ゲート裏に着いた時に、僕の目には担架で搬送されるジョルジュの姿が あった。

僕はすぐに駆け寄り声をかける。
( ;^ω^)「ジョルジュ、大丈夫かお!? しっかりするお!!」

(; ゚∀゚)「ケッ……客席の……おっぱいに……見とれてたぜ……」

( ;^ω^)「バーローwwwww」

(; ゚∀゚)「フン……しっかし疲れたぜ………少し……や……すむ……か……」

( ;^ω^)「ジョルジューーー!!!!」

( -∀-)「……………」

( ;ω;)「バーロー……目を開けるお………早く起きて、おっぱい見に行けお………………」

( -∀-)「…………………………」

( ;ω;)「ジョルジューーーーーーー!!!!!」

467 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:33:29.02 ID:Q+G7B0acO

そのままジョルジュは救急車に乗せられ、病院へと運ばれた。


僕は敢えて付き添わなかった。
その代わりにある所へと向かって行った。

僕の心にメラメラと焔が立ち上る。
鎮火するには1つしか手段が無かった。


コンコン…
「入ってるモナー」


B・LEGとサシで戦って同じ目にあわせてやる。

469 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:43:42.50 ID:Q+G7B0acO

月曜日


モナーに頼んで、B・LEGとの試合を組んでもらった。

今日はジョルジュは会場入りしていないらしい。
でもきっとどこかで、この試合は見てくれるだろう。

僕にとって、今日の試合は今までとは違い、楽しもうというつもりは無かった。
いかにジョルジュにしたことの罪を悔いさせるか、その事で頭が一杯だった。


『クールにならなきゃ勝てないぜ』


ジョルジュの声がしたようだが、僕の脳へとは届かず、耳を素通りした。

483 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 01:59:16.04 ID:Q+G7B0acO

今にしてみれば、ジョルジュの教えは正しかったのかもしれない。


そうでなかったら、今……こんな……目に……は…………


試合開始のゴングが鳴る前に、僕はB・LEGへと突っ込んで行った。

腹に肩を押し当て、両手で足を払う。
そのまま頭を脇に抱え、ひたすら殴りまくった。


レフェリーが見かねて僕を引き剥がした途端、BLは場外へと逃げだした。
体力を回復させるのに、場外へのエスケープは有効な手段だ。


だけど僕に逃がすつもりは毛頭ない。
場外でフラフラしながら体力を回復させているBLに対して、
僕は反対方向のロープへと走り出す。

勢いをつけた僕は、そのままトップロープとセカンドロープの間から、BLめがけて

⊂二二二( #^ω^)二二⊃「逃がさないお!!」

飛び出した。

487 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 02:08:52.21 ID:Q+G7B0acO

右腕に確かな手応えを感じ、僕達は場外に倒れこんだ。


レフェリーがカウントを取り始める。
10秒以内にリングへ帰らないと、負けになってしまう。
僕はノロノロと体を起こし、リングへと転がり込む。
ギリギリの所でBLも帰ってきた。

しかしその頃には、僕は既に立ち上がり追撃の準備が出来ていた。


よたよたと立ち上がるBLに対しホライゾンラリアットを叩き込む。
止めを刺すためにコーナーへ昇った時に、




椅子を持ったD・HIPと目が合った。

490 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 02:19:25.09 ID:Q+G7B0acO

ズガッ……

鈍い衝撃音と共に、頭へと激痛が走る。
そして僕は後ろ向きのまま、リングへと堕ちた。

頭がガンガンし、意識が朦朧とする。
気が付けばD・HIPもリングに入り、椅子を振り上げている。
僕は慌ててうつ伏せになるが、今度は腰に衝撃が走った。


( ;゚ω゚)「うわぁぁぁぁぁっ!!!!」


何てこった…ジョルジュの敵討ちのためにきたのに………

バシィッ……!!!!
( ;;゚ω゚)「あ゙ぁぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁあ゙!!!!」


やっ……ぱり……ジョルジュの言う……ことは正し……かっ……た……な……

意識が完全に飛び去る寸前に、僕の耳へと観客の大きな歓声が響く。




『おっぱい』と

502 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 02:30:55.85 ID:Q+G7B0acO

僕の目の前には、確かにアイツがいた。


イスを両手に持ったジョルジュ長岡が。

(# ゚∀゚)「オラァァァァ!!!」

右手のイスでD・HIPの頭を殴り飛ばし、左手のイスでB・LEGの腹を突く。
そして体を回転させ二人の頭にイスを叩き込んだ。

二人とも場外へと転がり落ち、這いずりながらゲートへと逃げる。
ジョルジュはイスをリングに叩き付け、マイクを要求し二人へと宣言した。


(# ゚∀゚)「オイ、テメェら!! 耳の穴ほじくって、良く聞きやがれ!!
そんなに二人一緒が好きなら、二人まとめて片付けてやる!!

来週、テメェらと俺とブーンでタッグマッチだ!!」

ガタンッ…!!
マイクを投げ捨て、ジョルジュは二人を見据える。


割れるような『おっぱい』コールの中、僕はジョルジュの無事に安堵し、眠りへとついた。

第十三話━青春アミーゴ━ 完

507 名前:
1 ◆rDvJ0e8dDk 投稿日: 2006/01/11(水) 02:33:16.37 ID:Q+G7B0acO

内藤ホライゾン

戦績
2戦2勝0敗0引き分け

(ブーン)○━●(B・LEG)

試合時間 8分17秒
乱入による反則勝ち


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