第三話
65 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:24:57 ID:+VI9CEl/0
若頭「今日から客分としてうちで働いてもらう内藤君だ。」
若頭の須藤さんが、僕をみんなの前で紹介する。
武運組の事務所は、無茶苦茶広かった。
街中の、五階建てのビルが丸々事務所になっていて、そこの二階に集まった若衆に、僕は挨拶をする。
畳十乗ほどのオフィスの中に、50人近い人間が集まっていた。
他にもいくつかある事務所の組員や、傘下の組もあわせれば、組員は200人を超すのだと言う。
( ^ω^)「今日からここで働く事になった内藤といいますお。よろしくおねがいしますお。」
僕は自己紹介をしながらも、なんだか普通の会社員みたいだな、と思った。
周囲の反応を見てみるが、皆なんだか微妙な表情をしている。
本来なら客分としてもてなされるはずの立場の僕が、ここで働くと言っているのだ。
彼等にとっては異常な光景なのだろう。
事実、若衆の人達は僕にどう接すればいいのか決めあぐねて、戸惑っている。
67 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:25:26 ID:+VI9CEl/0
須藤「とりあえず、おい、ドクオ!!!内藤君にいろいろ教えてや
れ!!!お嬢様の恩人だ。くれぐれも粗相
の無い様にな!!」
('A`)「はい。内藤さん、よろしくお願いします。」
( ^ω^)「こちらこそよろしくだお。」
ドクオと呼ばれた男が目の前に出てくる。
ヤクザの構成員なんてやってるわりには、気が弱そうで、ひょろりとした体格の男だ。
須藤「とりあえず、これで今日は解散だ。各自、仕事に戻ってくれ。」
( ^ω^).。oO(なんだか普通の会社みたいだお・・・。)
須藤「ドクオと内藤君だけここに残ってくれ。早速だが、内藤君達に頼みたい仕事がある。」
( ^ω^)「ちょwwwいきなり初仕事wwwww」
('A`)「内藤さん、大丈夫ですよ。仕事って言ってもきっと簡単なのですよ。はじめですし。」
須藤「安心してくれ、多分この仕事は、一人だけでも簡単なはずだ。」
( ^ω^)「そうですかお、なんだか安心しましたお」
須藤「むしろ、ドクオ一人の方が心配だから君をつけたんだがな。(ボソ」
( ^ω^)「???」
須藤「いや、なんでもない。」
68 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:25:52 ID:+VI9CEl/0
('A`)「で、何をすればいいんですか?」
須藤「ああ、最近、うちの縄張りで勝手にうpろーだーにブツをうpしてる連中が居てね。」
('A`)「そいつ等を埋めてくればいいんですか?」
(;^ω^)「ちょwww埋めるってwwwwおまwwww」
須藤「いや、ミカジメ料をとってくるだけでいい。相手が抵抗するようなら、組の名前を出して警告だけでいいん
だ(汗」
('A`)「そんなまだるっこしい事しなくても、みんなで突撃すればいいじゃないですか。沈めちゃえば誰にもバレな
いわけですし。」
(;^ω^).。oO(こいつ、案外過激なヤツだお。)
須藤「いいから行って来い。くれぐれも、問題を起こすなよ。」
こうして僕達はその、勝手にうpろだにファイルをうpしているという連中のアジトに向かった。
アジトと言っても、VIP郊外にある薄汚いアパートの一室なのだが。
途中、いろいろドクオから話を聞いた。
先日、組長の孫娘、ツンをさらったスレスト建設の社長には絶縁状が送られたそうだ。
それに対してスレスト建設は武運組に真っ向から対立。今抗争中なのだという。
スレスト建設は武運組傘下の組の中でも最大派閥で、今では武運組を離れてスレスト建設に合流した組員も
含めて60人前後になっているらしい。
そもそも、スレスト建設の社長、岸木は、武運組組長の叔父でもあり、武運組の跡目争いに敗れて
新たな組を作ったのだそうだ。確執は深い。
スレスト建設がツンをさらったのは偶然だったのだろうが、今回の事が無くてもいずれはこうなっていたのだろ
う。
69 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:26:59 ID:+VI9CEl/0
( ^ω^)「ここが例の連中のアジトかお?」
('A`)「らしいですね。族くずれのガキどもって聞いてます。」
( ^ω^)「とりあえずまずは話だけでもしてみるお。」
('A`)「まあ、今うちはスレスト建設の連中と抗争中ですからね。穏便に行きましょう、内藤さん。」
ドクオがアパートの部屋のドアノブに手をかける。
('A`)「オラ、ガキども。誰の許可貰ってうちのシマで商売してんだ。ぶっ殺すぞ。」
(;^ω^)「ちょwwwおまwwwwさっき行った事と今とってる行動が180度違うおwwww」
ガキA「あ?なんだよてめーら。」
ガキB「俺等に何か用かよ。」
ガキC「勝手に人の家入ってくんじゃねーよ。」
('A`)「あ?誰に向かって舐めた口聞いてんのかわかってんのか糞ガキども。」
(;^ω^)「おまwwwもちつけwwwww」
ドクオと共に乗り込んだ部屋の中には三人のガキどもが居た。
全員まだ中学生くらいだろう。まだ19の僕よりも若い。
これなら本当に僕かドクオの一人だけでも大丈夫そうだった。
72 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:35:02 ID:+VI9CEl/0
('A`)「てめーら、さっさとミカジメ量はらわねーと今すぐハジいて
埋めちまうぞ。コラ。」
( ^ω^).。oO(ちょwwwこいつ人変わってね?wwwww )
ガキA「だからあんたらなんなんだよ?」
(;^ω^)「ドクオ、いいからもちつけ。おまえ、ちょっと外に出てろ。」
僕は仕方が無いのでドクオをなだめる事にした。
ガキA「で、何の用なんだよ。そもそもあんた等誰よ?」
( ^ω^)「僕は内藤ホライゾンだお。武運組の者だお。」
ガキB「俺等はミカジメ料なんざはらわねーぞ。」
( ^ω^)「今日は警告に来ただけだお。断るのは勝手だけど、後でどうなっても知らないお。」
ガキC「てめえ!!!!ふざけんな!!!俺等脅してんのか!!!?」
その時、ガキの大声に反応したのか、ドクオがドアを開けて部屋を覗き込んだ。
('A`)「内藤さん、コイツ等、俺等の事ナメ切ってますよ。埋めちゃいましょうよ。」
(;^ω^)「お前が出てくると話がこじれるから黙ってろwwww」
ガキA「なあ、オッサン等、漫才なら他所でやってくんね?俺等商売で忙しいンだけど。」
( #^ω^)「ちょっと待つお。誰がオッサンだお?」
73 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:35:58 ID:+VI9CEl/0
ガキが僕の動きに気がついた時には、僕の手は相手の胸倉を掴み上げてい
た。
完全にガキの足が中に浮く。
あのタコ部屋ではもっと重いものを担がされていたのだ、こんなガキの一匹程度持ち上げるのは分けない。
対するガキどもは、それほど背の高くない僕の出した力の強さに驚いている。
これでいい。
これで大して事を荒立てずに済みそうだ。
こういうガキどもにはまずこっちが先にキレてみせないと、上限無く調子に乗らせてしまう事になる。
自分がつい最近までそういうガキだったのだから、よくわかる。
・・・・・・む・・・・・、僕は思ったよりもこの仕事に向いているのかもしれない。
だが、そんな事を考えている僕に、予想外の事が起こった。
息苦しいのだろう、必死に手足をバタつかせるガキの足が、偶然僕の腹に当たった。
こんなガキの足が偶然当たった程度、僕は痛くも痒くもなかったのだが、そこでドクオが騒ぎ出した。
('A`)「おいコラ、ガキ、何内藤さん蹴ってんだよ。喧嘩売ってんのか、コラ。」
( ^ω^;)「いや、別に痛くもなんとも無いからいいお。」
('A`)「あ?なんとか言えや、糞ガキども。」
77 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:39:26 ID:+VI9CEl/0
ドクオはなおもガキどもにしつこくつっかかる。
わざと腰を低くして、ガキの下を向いた顔を覗き込む。
ガキB「ふ・・・ふざけんなッ!!!!!!」
ガキの一人が耐えかねて、しゃがんだドクオの顔を蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされたドクオの頭が狭いアパートの壁にぶつかり、ゴン、という音を立てる。
僕は掴み上げているガキを降ろして、ドクオの側へと駆け寄る。
(;^ω^)「ドクオ・・・・ッ!!!!!」
ドクオがあっさり蹴り飛ばされたことで驚きから立ち直ったのか、ガキどもが僕へ向かってくる。
手にはそれぞれナイフを握っている。
(;^ω^)「ちょwww刃物とかテラズルスwwwwww」
その時、大きな打撃音と共にガキの一人が倒れた。
何時の間にかドクオが起き上がり、椅子でガキを殴り倒していた。
78 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:40:24 ID:+VI9CEl/0
(#`A´)「ふざけんじゃねーぞガキども!!!!てめーら全員VIP
湾に沈めてやろうか?あああ!!!!?」
ドクオはそのまま椅子を近くに投げ捨てる。
ドクオによって投げられた椅子は「エロ動画.avi」「MP3」等と書かれたダンボールにぶつかり、バキバキという破砕音を響かせる。
(#`A´)「舐めたマネしてくれるじゃねーか!!!てめーらただで死ねると思うなよ!!!臓器も肉も髪の毛も
全部売りさばいて殺してやるぞ!!!!」
(;゚ ω゚)「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ドクオはさらに、部屋の中心にあった大きな机を持ち上げて振り下ろす。
ひょろりとした体躯のどこにそんな力があるのか、地面とぶつかり、砕けて少し小さくなった机をさらに振り回す。
口調も、何時もの淡々としたものから過激なものへと変わっている。
(#`A´)「オラ、オラ、オラ、オラ。このDQNども!!!」
(;^ω^).。oO(ちょwwwもうコイツ完全に別人wwwwwきめぇwwww)
ドクオは地面に頭を抱えてしゃがみ込んでいるガキどもを蹴り始める。
頭を狙って重点的に蹴る、蹴る、蹴る、蹴る。
ガキどもが必死に頭を守ろうと、両手両肘で頭を抱え込むと、次はガードの開いた腹を蹴り上げる。
ガキどもが泣きじゃくりながら亀の子状態に丸々と、背中を蹴るのに飽きたのか、周囲のものを手当たり次第に
壊し始める。
椅子を地面に叩きつけて砕き、机の破片を窓から外へ投げ捨てる。ゴミ箱は既に中身を床に吐き出させられて踏み割られている。
押入れの中にあった違法ファイルも全て壁や床に叩きつけ、砕く、砕く、砕く、砕く、ひたすら砕く。
部屋の中に何も壊すものが無くなると、再びガキともを蹴り始める。
亀の子状態に丸まっているガキどもの背中を徹底的に踏みまくる。
すでにガキどもは泣きながら謝っているのだが、涙声な上、ドクオの叫び声のせいで何を言っているのかぜんぜんわからない。
82 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:48:03 ID:+VI9CEl/0
(#`A´)「オラ!!!さっきみたいに偉そうな態度とってみろ
よ!!!笑ってみろよ!!!笑えって言ってんだよカス!!!」
ガキの一人が逃げ出そうと、出口へ駆け出すが、ドクオは地面に転がるガキの一人を持ち上げて、逃げ出そうとしたガキへぶつける。
とてつもない膂力だ。
(#`A´)「てめー何逃げようとしてんだ、ゴミ、ふざけんな。マジふざけんな。何泣いてんだコラ。笑えっつってんだろ!!!」
(;^ω^)「ちょwwwおまwwwそろそろ止めないとそいつ等死ぬぞwwww」
(#`A´)「うるせえええええええええ!!!」
僕はドクオを止めようとするが、我を失っているドクオに逆に殴られてしまう。
(;^ω^)「ちょwwwおまwww何すんだおwwwww」
ドクオの奴、やはり体格に見合わずいい一発をもっている。
タコ部屋でさんざん殴られ馴れた僕が久しぶりに痛いと感じる一撃をいれてきやがった。
ドクオは僕を無視して、さらにガキどもに追い討ちをかける。
仰向けに伸びているガキの腹筋を踏みにじる。
ガキの口の端から血の混じった泡が垂れる。
可哀想に、あのガキは暫く何も食べられないだろう。
いい加減、ガキどもが哀れに思えてきた。見れば、ガキどもの中には家族の名前だろうか、必死に誰かの名前を呟いている者もいた。
・・・・・・これは酷い。
83 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:48:38 ID:+VI9CEl/0
( #^ω^)「いい加減にするお!!!!」
僕はドクオを無理矢理羽交い絞めにする。
タコ部屋での重労働で鍛えられた今の僕でも、ドクオを押さえ込むのには一苦労だった。
(;^ω^)「早く逃げるお!!!お前等このままじゃ殺されるお!!!!」
僕がそういうと、ガキどもは今気づいたかのように出口へと殺到していく。
僕はそのときの、怯えた捨て猫のようなガキどもの泣き顔を一生忘れないだろう。
結局、そのあとドクオが落ち着くまでに四発、羽交い絞めにしているドクオから頭突きをもらった。
散々だった。
須藤「馬鹿野郎!!!!!」
須藤の拳が容赦なくドクオの顔面に飛んだ。
殴られたドクオが地面に倒れる。
(;'A`)「すいませんでした。つい頭にきて・・・。」
須藤「これで何度目だ!!!!てめえの代わりの鉄砲玉ならいくらでも居るんだぞ!!!」
(;'A`)「でも連中もこれで懲りたでしょうし・・・。」
須藤「俺はミカジメ料持って来いって言っったんだよ!!!誰が連中の商売道具全部ぶっ壊せって言った!!!」
(;'A`)「すいません・・・。」
須藤「連中の商売をこっちで仕切ろうにも、元が無いんじゃできねえじゃねえか!!!金づる切ってどうすんだ
馬鹿野郎!!!!」
(;^ω^)「・・・・・・」
84 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:52:43 ID:+VI9CEl/0
須藤「その上、客分の内藤君を五回も殴っただと?」
僕の顔にはドクオの頭突きで青痣ができている。
('A`)「あ、いえ、殴ったのは一回です。」
須藤「あ?」
('A`)「四回は頭突きです。顎のあたりを。下から引っ掛ける感じで。」
須藤さんは無言でドクオを殴った。
ドクオがまた地面に倒れる。
須藤「すまなかったね、内藤君。君は今日はもう上がっていいから、疲れを癒してくれ。」
(;^ω^)「わかりましたお。でも、僕は大丈夫だからドクオのヤツもここら辺で許してやってくださいお。」
僕はさっさと部屋から出て行った。
やっぱりその筋の人の怒る場面は、見ていてぞっとする。
自分が怒られているわけでもないのに、意味も無く震え上がってしまった。
僕はヤクザに向いていないのだろう。
85 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:53:12 ID:+VI9CEl/0
事務所から出たところで少女が僕を待っていた。
ツンだ。
ξ゚听)ξ「あら、内藤じゃない。何その顔。」
( ^ω^)「初仕事で色々あったんだお。ツンこそどうしてここに?」
ξ;゚听)ξ「べ、別に私は偶然ここを通りかかっただけで、あんたを見に来たわけじゃないわよ!!」
(;^ω^)「誰もそんな事言ってないお。」
その後、僕達は手近な喫茶店に入った。
僕の顔の痣が目立って、少し注目を集めたが、ツンの前でうろたえるのがなんとなく嫌で、気にならない振りを
した。
僕等は二人で他愛も無い話をした。
ツンは将来、喫茶店を開くのが夢なのだという。
武運組の組長であるツンの祖父が、「金ならいくらでも出してやる」と言っているが
ツンは自分ひとりでバイトで稼いで店を持ちたいらしい。
それから暫くして、今日の僕の初仕事の話題になった。
ξ゚听)ξ「で、初日でそんな青痣作ってくるなんて、どんな危ない事やったの?」
(;^ω^)「実は・・・。」
僕は経緯を説明した。
すると、ツンは驚いたように目を丸くした。
ξ;゚听)ξ「ドクオってあのドクオ君!!?一回怒り出したら組員総出でないと止まらなくなるっていう・・・!!?」
(;^ω^)「多分そのドクオだお。止めるときに四回も頭突きされたお。」
ξ;゚听)ξ「あのドクオ君を止めたの!!?」
(;^ω^)「え・・・?」
89 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 22:59:39 ID:+VI9CEl/0
ツンの話によれば、ドクオは組の若衆の中でも怒り出したら手がつけられ
ない事で有名で、
組内では「一人火薬庫」と呼ばれているらしい。
組に入って間もない頃、その体格と性格をスレスト建設の社長に馬鹿にされて、暴れだそうとしたらしい。
その場は一緒に居た組員に宥められたのだが、怒りが収まらないドクオは夜中の内にスレスト建設が当時
建造中だった四つの家に侵入。
素手で全部、木造の支柱を引っこ抜いて叩き折ったらしい。
結局、スレスト建設もドクオがそれをやったという明確な証拠は出せなかったが、夜中の内に出て行って、拳
を傷だらけにして晴れ晴れとした顔で帰ってくるドクオを目撃している。
ドクオ本人は「町で喧嘩した」と言ったが、もちろん誰も信じず。
それ以来ドクオは、一人でも家を四つ吹き飛ばす程の爆薬、「一人火薬庫」と呼ばれてるそうだ。
( ^ω^)「なんだか”劇団ひとり”みたいでおもしろいあだ名だお。」
ξ゚听)ξ「それにしても、すごいじゃない。あのドクオ君をひとりで止めるなんて。」
(;^ω^)「でも、結局初仕事は失敗だったし、敵に情けをかけて助けちゃったお・・・。この仕事に向いてないのか
もしれないお。」
ξ゚听)ξ「その時はそいつ等を助けるのが正しいと思ったからやったんでしょ?正しい事をした人間には正しい
報いが返ってくるわよ。」
90 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 23:00:26 ID:+VI9CEl/0
まぁ、やくざが”正しい事”だなんて、笑っちゃうけどね。
ツンはそう言いながらも僕を励ました。
と、その時、僕の携帯が鳴った。
若頭の須藤さんだった。
須藤「内藤君、きみに面会したいって連中が来てるんだが。」
( ^ω^)「え?」
須藤「敵意は無いようだから待たせて歩けど、今から来られるかい?」
( ^ω^)「大丈夫ですお。」
須藤「どうも、昼間ドクオに殺されそうになったところを君に助けられた連中らしい。お詫びがしたいそうだ。」
( ^ω^)「あの時のガキどもかお?お詫び?」
それっきり電話は切れた。
僕はツンに謝り、事務所に戻らなければいけないと告げる。
だが、ツンは電話での僕の話を聞いていて、静かに笑っている。
92 名前: ◆RyjswZ9x5U
投稿日: 2005/12/28(水) 23:04:45 ID:+VI9CEl/0
ξ゚ー゚)ξ「言ったでしょう。正しい報いが返ってくるって。」
僕はツンにありがとう、と言うとさっさと店を出た。
ガキどもの顔を思い浮かべる。
あれだけドクオに痛めつけられてもまだ顔を出す気になるとは、思ったよりも根性のある連中だ。
最後に見た、捨てられた猫のような泣き顔が浮かぶ。
もうあんな顔はしないような生き方を見つけて欲しいものだ。
そう思った。
(;゚ ω゚)「って、ちょっと待て!!!最初に片一方がキレてもう片方が後から優しげに接するって
完璧やくざの手口じゃん!!!それもかなりあくどい!!!」
僕はこの仕事に向いているのかもしれない。
第三話 はじめてのおつかい・完
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